
住宅メーカーのこんな対策
ここでは、実質的に長時間労働になっているとはいえ、長時間労働そのものはそれほど評価対象でなかったことも注目される。
・この傾向もまた。
「時間よりも成果」というスローガンのもと、たいていの職種のサラリーマンの労務管理に色濃くなりつつある。
日経連による裁量労働制拡大の提案は、この動向をよく示している(日経だが、日本の経営者は、かりに総論レベルでは長時間労働の是正やゆとりの増大に賛成したとしても、実態としての長時間労働の根因である重いノルマの軽減や見直しにはふれることがない。
強化される能力主義管理の要請はむしろ逆であろう。
ノルマのありようを問わない裁量労働制の導入は、それゆえ、作業量・ノルマと働きすぎとの関係をむしろ不可視にする。
いくらか大胆にいえば、それはサービス残業の告発を宙に浮かす企みという側面さえ備えているといえよう。
いずれにせよ能力主義管理の強化は、サラリーマン男女が越えねばならぬ仕事の量的なハードルを高くしている。
そしてそのインパクトは、サラリーマンのゆとりや心身の健康が危うくなることにとどまらない。
後にもくりかえしふれることながら、「能力がある」「業績が十分である」ということのハードルが高ければ、なんらかの事情からそれに「チャレンジ」できない中高年層、女性、体力に恵まれぬ人びとへの冷遇が正当化されることになる。
こうして皮肉にも、「結果の不平等」が「機会の平等」の「自然な」帰結としてあらわれるのである。
3働く場の不安定化さまざまの雇用調整日本型能力主義管理の浸透にともなう労働者の負担の第3点は、彼ら、彼女らが働き続けてゆける場所の不安定化・不確実化である。
これをもたらす措置は、いうまでもなくリストラとよばれる広義の雇用調整であって、不況の際とくに強力に進められる。
しかし1975年から90年代はじめの第1期以降には、雇用調整や人減らしはある意味で恒常化しており、それに耐えること、それを呑み込むことが能力主義の要請でもあった。
日本企業における雇用調整のさまざまの措置には、おのずから選択の順序というものがある。
すべての産業でそうだというわけではないが、まず@残業カットやA非正社員の整理がある。
ついで広い範囲の配転がくる。
さらには新規採用の抑制やストップによる「自然減耗」、関連・系列企業への出向、一時帰休制や自宅待機などが続く。
出向者の転籍はその次の段階である。
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